京響定期2012年2月

私はストラヴィンスキー好きーです。今回の定期は京響のオール・ストラヴィンスキー・プログラム。そんなわけで期待の回だったのですが、思ったほどは(自分が)盛り上がらなかったかなあと。

そうなったのは私と井上さんの音響的な感覚が合わないのもあるのでしょう。これは、これまでに聴いた昨年の定期とかPACの定期とかで、大体そうかなーと思っていたので、印象通りでした。音響のバランス的な面でも、京響から良い音を引き出しているか(どんな音が良い音と感じるか)という面でも、あんまし相性が良くないのでしょう。

そんでも、1曲目、2曲目と集中出来るようになり、3曲目は割合面白く聴けました。2楽章はかなり良いと思いました。ただ、なんというのか、いかにも日本人らしい真面目なストラヴィンスキーって感じで、愛聴してるデンマークやらフィンランドあたりの茶目っけやハチャメチャさが欲しいと思ってしまいました*1。普段そんなノリのものを聴いてるから悪いのであって、めちゃくちゃ偏ったものを勝手に標準にしているだけなのかもしれません。でも、真面目なストラヴィンスキーなんて、現代音楽が得意でないリスナーがたぶんこう思ってるであろう「ただのよく分からない時間」そのものではありませんか。

ヴァイオリン・ソロは、今日は、サウンド的な違和感を感じなかったなーと。登場の多いソロ楽器は、違和感がある方が普通なので、これがないというのは相当良い評価です。1993年生まれだから、まだ10代!


というわけで2回連続でイマイチ煮え切らない評価になってしまいましたが、これは言っとかなきゃいけないと思うんですが、今の京響の演奏は、他オケと比較して、相対的には、全然ちゃんとした演奏です。ここのブログ主は5段階評価の4みたいなときに一番しつこく言及する性格で、それ以下だと思えばコメントしません。毎回定期に通っていることでもそれは分かって頂けるかと。今の京響の場合、そういう種類の問題は絶対ないです。演奏としては、一定水準をパスしていて、安心して聴ける。でも、だから、もうひとつ先の「特別」を求めてしまう。相対的に良い、ではなく、絶対的に良い演奏を聴きたいし、それが出来るし、実際通年の定期の中でそういうスペシャルな回があるので、どうしても要求レベルがそっちになってしまうんです。

京都市交響楽団第554回定期演奏会
2012年2月19日(日) 2:30pm 京都コンサートホール・大ホール
井上 道義(指揮)
郷古 廉(ヴァイオリン)
ストラヴィンスキー:ハ調の交響曲
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ調
ストラヴィンスキー:3楽章の交響曲

本日の演奏はNHK-FMで放送予定があります。
http://www.kyoto-symphony.jp/news/index.php?id=134&start=0#id134

*1:指揮姿はそんな感じなんですが、出てくる音がどうも、いかにも真面目で。