PACチャンバー=バボラーク@兵庫芸文

1週間前に名古屋でバボやんを聴いたばかりなのに、またもバボやんを聴きに来てしまった。名古屋を聴いて、いても経ってもいられなくなってチケット購入したとかいうことではなく、年末にDRの放送で初めてバボやんを聴いたときに、既に購入しておいたもの。でないと、この公演のチケットは早々に売り切れてしまっていたので、名古屋の後で気が付いても地団駄踏むしかなかった。ついでに、金土と2公演があったのだが、その時点で金曜しか残っていなくて、しかも残り2座席だった。おかげで2週連続で金曜を休む羽目になってしまったが、なんのその。

PACチェンバー・オーケストラ with ラデク・バボラーク
2012年3月2日(金)15:00
兵庫県立芸術文化センター 小ホール
指揮 ・ ホルン/ラデク・バボラーク
管弦楽/兵庫芸術文化センター管弦楽団
モーツァルト交響曲 第32番 ト長調 K. 312
ベートーヴェン交響曲 第1番 ハ長調 op.21
モーツァルト : ホルン協奏曲 第2番 変ホ長調 K. 417
メンデルスゾーン交響曲 第4番 イ長調 op. 90 「イタリア」

というわけで座席は選べたわけではないが、サイド席のやや後方寄り。前から4列目、後ろから3列目。座席表を見ると分かるが、正面の座席は同じ階高に8〜9列の座席が詰まっているところに6列しかないわけで、1列毎の段差が大きく、背中に頭上を完全に覆う高さの壁がそびえ立っている場所である。これが災いしたらしく、どうも1曲目は反射音がガンガン来てしまって、やや不快な状態になってしまった。ここの小ホールは、視覚的にはなんというかJazzでも流れてそうな、とってもよい印象のホールなんだが。サイドでオケと高さが同じくらいのエリアはただでさえ音が直撃するのだから、そこに壁を建てちゃあかんと思うのだ。選ぶ余地が無かったので仕方無いのだが、ここのサイドのRAとLAは壁背負ってるので(私にとっては)要注意である。

これは反射音の快不快の話で、直接音そのものは悪くはなかったと思う。「刈り込みたい」は全然無かった。これは結構快挙である。が、前半は反射音のせいで緊張していたらしく、見事に記憶が飛んでいる。モーツァルトとベートーベンの殆ど同じ編成の曲を続けて聴いたわけだが、ベートーベンは意外とモーツァルトみたいだなあと思ってしまったことは覚えている。楽団員に笑顔を振りまくバボやんのぼっちゃん刈りの金髪がふぁさふぁさ踊る様が眩しい。つーか、吹き出す寸前でした、スンマセン。

後半は、ちょいと失礼して、壁を背負ってない空席へ。今度は普通に聴ける。あのスピーカーに耳を近付けているような嫌な振動はなくなった。で、バボやんの吹き振りでホルン協奏曲。出だし、(ホルンパートが)意外と地味である。1楽章、まだまだ地味である。ところが楽章が進むに連れてホルンが華やかになって行き、終楽章ではかなり盛り上がって終わる。しかし通常の協奏曲のつもりでいるとまだまだ聴きたいうちに終わってしまうのである。こういうのを自分の指揮の回に持ってくるとは、たしかに通常のコンサートでソリストとして1曲披露する場合には有り得なそうなプログラムであるから、そうかもなあ、なるほどーと思った。これがバボやんなりの美意識の表れであると(勝手に)思うことにする。

吹き振りは、吹いているときにどうコミュニケーションしてるのかあまりよく分からなかったなあ。ま、私は演奏中は目を閉じがちな聴き方の人間でありますから。

音は、名古屋の3階で聴いたときの方が断然良かった気がする。音のニュアンスが、その方がずっとよく伝わって来るのだ。ある程度以上の大きさの空間で離れて聴いた方が映えるのがホルンなのであろうか。角笛だもんな、遠くに特化した音であってもおかしくない。いや、只の思いつきだけど。

と、ここまでレポを書いたら寝不足がたたって猛烈な眠気が来たので、尻切れトンボであるが、この辺で。総合評価としては、まあ面白かったけど、5点満点中の4みたいなポジションでした。