住民監査請求を提出してきました

なんでオペラブログからはじまって、ここに至ってしまったのか自分でもさっぱり分からないんですが、本日、京都会館第一ホールの建替えを前提とした解体差止の住民監査請求を提出してきました。人生なにがあるか分からないもんだ。ちなみに、住民監査請求とはこういうものです。

住民監査請求(じゅうみんかんさせいきゅう)とは、住民が、自らの居住する地方公共団体の違法若しくは不当な財務会計上の行為があると認められる場合、その地方公共団体の監査委員に対し監査を求め、その行為に対し必要な措置を講ずべきことを請求することができる制度
http://ja.wikipedia.org/wiki/住民監査請求

京都会館を勝手に建替える計画を立てて解体してしまう行為は、京都市民の財産を適正に維持管理するという面からも、建替えに要する費用という面からも、建替え後の景観(これも京都の重要な財産!)という面からも、財務会計上の不正に相当するので、建替えを前提とした解体を止めて欲しいということですね。

今回の提出では、なんと京都市775名分の請求を集めることが出来ました。住民監査請求は一般の署名などと比べて参加するのがヘビーだと思うのですが、それだけの数の京都市民の皆さんが賛同して名を連ねてくださいました。

近隣住民、建築家、法律家など様々な立場からこの計画に反対している個人・団体が合同で請求に向けた作業を行ったのですが、うちからは、以下のようなポイントを挙げて、第一ホールの全面建替を行う必要性・合理性がないことを、請求の理由として挙げさせてもらいました。

  • 過去に建築物の劣化度調査を行い、構造材は良好な状態を保っており、適切なメンテナンスを行えば今後50年維持可能であろうと報告されている。
  • 京都市自身の設置した検討委員会によって建替えを含めた検討がなされた結果、建築物の保存・または一部増築によって改修を行うことが望ましいと結論されている。
  • 上記検討に則って、京都会館の機能改善と費用のコンサルティングを依頼した結果、音楽ホール専門家の目から見て、一部増築によって舞台内高さを多目的ホールとして標準的な18メートルとすれば、「今までできなかった演出を行うことができる」、「有名プロアーティストの興行が増え、(中略)第1ホール稼働率を回復させることができる」「最近できた他の多目的ホールと比べても、充分な演出ができる」ことが報告され、この改修案にかかる費用は60億円と見積られている。一方、現在進行中の計画の費用は113.5億円(報道による110億円+解体予算3.5億円。埋文調査費用含まず)であり、60億円で充分な改修が出来るにも関わらず、あえて多額の費用を投入する計画となっている。
  • その後の京都市の作成した素案においても、20メートルの舞台高さとする一部増築案が提示され、「大型の舞台セットにも対応可能」と京都市自身が述べている。
    • なお、上記の経過から何故20メートルの案を作ったかは不明であり、舞台高さの理由としては、他のホールとの比較から20メートル必要と記載がある*1
  • これまでの検討結果と比較して、今回の基本計画案によって追加的に充足されると期待される利用ニーズについて検討されておらず、また、追加的な費用(113.5億円−60億円)がその追加的なニーズに見合うだけの費用であるか疑問である。
    • 当初市は海外ブランド歌劇場の来日公演(S席5万円超レベル)を想定していたが、これは市の勉強不足で、実際には出来ない計画だった*2。なお、もう少し規模の小さな巡回オペラ(全国20会場近くを巡回し、S席2万円以内レベル)なら上演可能だが、それは元々の一部増築案でも上演可能であった。
  • 今回の基本計画案に従って進行中の基本設計によると、追加的なニーズが見込めないばかりか、ホワイエの充実やバリアフリーといった近年のホールにおいて当然期待される要素が犠牲になっている。
  • 駄目押しとして、岡崎地域の景観への悪影響も大きい。
  • よって第一ホールの全面建替えを選択する必要性・合理性はない。


同時に各団体の要望書・署名を、市の担当部局に渡してきました。うちは128名分と微力ですが、複数の団体を合わせると、総署名数は約1万2千人と、この問題に疑問を持つ人の多さをアピール出来たと思います。

京都会館については、こちらもご覧下さい。


あー疲れた。オペラのレポ書きたい。積んであるDVD観たい。

*1:また横並びか・・・。

*2:このせいで私のような煩わしいオペラファンに目を付けられる羽目になった。後進の皆さんはこのような初歩的なミスをおかさないように注意しましょう。