イコモスの文化遺産危機警告の報道

京都会館改修に意見書　ユネスコ諮問機関、見直し求める＠産経

http://sankei.jp.msn.com/region/news/120828/kyt12082802150004-n1.htm
京都会館改修に意見書　ユネスコ諮問機関、見直し求める
2012.8.28 02:15 産経新聞　地方版

　京都市が全面改修計画を進めている京都会館（左京区）について、ユネスコの諮問機関で、世界遺産登録の審査や監視活動を行っている国際記念物遺跡会議イコモス（本部・パリ）の「２０世紀遺産に関する国際学術委員会」が、門川大作京都市長に計画見直しを求める意見書を提出していたことが２７日、わかった。同日、改修計画に反対する国際学術組織の日本支部「ＤＯＣＯＭＯＭＯ　Ｊａｐａｎ」が明らかにした。

　意見書は８月１２日付。京都会館は昭和を代表する建築家、前川國男（明治３８年〜昭和６１年）の代表作であり、日本の近代建築の最も重要な作品のひとつと指摘し、改修計画の見直しを求めている。

　同会館の改修計画をめぐっては、市民団体のメンバーらが計画差し止めを求めて住民監査請求をしているほか、今月１３日には、地元住民らが第１ホールの解体工事差し止めを求め京都地裁に提訴している。

　市文化芸術企画課は意見書が届いたことを認めた上で、「英文なのでまだ詳細に内容は把握していないが、意見は拝見する。ただ、計画に問題はないと考えている」としている。改修は総工費約１１０億円で、今年度中に同会館第１ホールの解体作業に着手する予定。

たかが1ページの英文書すらささっと読めないのに、世界水準の舞台芸術とか言い出さないで欲しいものである。

京都会館建て替え懸念　ユネスコ諮問機関　市に再考要望「美と調和破壊」＠毎日新聞

http://mainichi.jp/select/news/20120828k0000e040201000c.html
京都会館建て替え懸念　ユネスコ諮問機関　市に再考要望「美と調和破壊」
2012年08月28日　13時51分（最終更新　08月28日　14時07分） 毎日新聞

　意見書によると、専門委員会は同会館を「２０世紀の最も重要な日本人建築家の一人である前川國男（１９０５?８６）による素晴らしい作品で文化遺産」と評価。建て替えは「取り返しのつかない害を及ぼし、美と調和を破壊する」として、ウェブサイトを通じて国際的に注意を喚起する「遺産危機警告」を発令し、市に再考を求めた。

　同会館は６０年開館。市は耐震強化や機能充実を目的に１０年前から改修を検討。今年６月、高さ約３０メートルの大型舞台を備えた建て替え計画を公表した。今月２９日に設計・建築業者を決め、９月上旬から解体する。１５年完成予定で事業費は１１０億円。

　一方、日本建築学会が昨年、建物の保存を要望。住民団体が今月、解体工事差し止め訴訟を京都地裁に起こした。市文化芸術企画課は「外観デザインの特徴を踏襲し、建物の価値と機能充実を両立させる」としている。

　イコモスは世界遺産候補地の調査なども行うＮＧＯ。広島県福山市の「鞆（とも）の浦」の埋め立て・架橋計画をめぐって０５年と０８年、総会で中止を求める決議を採択した。【野宮珠里、林哲平】

京都会館建て替え再考を　イコモス、京都市に意見書＠京都新聞

http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20120827000132
京都会館建て替え再考を　イコモス、京都市に意見書
京都新聞　2012年08月27日

　京都市が進めている左京区の京都会館の建て替え計画で、国際記念物遺跡会議（イコモス）の「２０世紀遺産に関する国際学術委員会」は２７日までに、計画に反対する遺産危機警告を発令し、計画の再考を促す意見書を門川大作市長宛てに送付した。

　イコモスは、国連教育科学文化機関（ユネスコ）の諮問機関で、世界遺産に推薦された物件を調べ、評価をユネスコの世界遺産委員会に報告している。

　意見書は、建築家の故前川國男氏が設計した京都会館は「日本の近代建築の最も重要な作品の一つ」と位置づけ、建て替え計画を「後戻りできない害を及ぼす」と指摘した。その上で、会館保全に向けて国際的に注意喚起する「遺産危機警告」を発令し、市に建築物の遺産価値を残すよう努力を求めた。

　近代建築の保存に取り組む国際組織「ＤＯＣＯＭＯＭＯ　Ｊａｐａｎ」が５月、イコモスに計画見直しを促すように要請し、同国際学術委員会が現地調査を踏まえて警告を発した。

　市は「歴史的な建物の価値を継承しながら必要な機能向上を図る計画で、見直す考えはない」としている。
【 2012年08月27日 22時50分 】
（紙面掲載は8月28日朝刊）

京都会館建て替えに「遺産危機警告」　ユネスコ諮問機関イコモス＠京都民報

http://www.kyoto-minpo.net/archives/2012/08/28/post_8980.php
京都会館建て替えに「遺産危機警告」　ユネスコ諮問機関イコモス
2012年8月28日 12:48　京都民報

　京都市の進める京都会館（左京区）建て替え計画について、ユネスコの諮問機関で世界遺産登録の審査を行う「イコモス」（国際記念物遺跡会議、本部・パリ）の「20世紀遺産に関する国際学術委員会」（シェリダン・パーク委員長）はこのほど、「市の計画は建物に対して、後戻りできない害を及ぼす」として「遺産危機警告」を発し「計画の再考を求める」意見書を門川市長に提出しました。日本の近代建築に対する「危機警告」は初めてのものです。
　京都会館は、故前川國男氏が設計した戦後近代を代表する名建築。意見書では、建物は「敬意を払われ遺されるべき文化遺産」と強調。「危機警告」で「建物保全の脅威に関する国際的な注意を喚起する」とともに、市に対して「建築物の遺産価値を残すよう」要求しています。
　市は、同計画の推進のため、同館第１ホール解体工事着工を９月上旬に計画しています。

イコモスの意見書の全文はこちら。http://d.hatena.ne.jp/starboard/20120827