コジ・ファン・トゥッテ@関西二期会

そして本日はオペラのはしごです!兵庫芸文が終わって尼崎アルカイックに移動して(移動時間はドアtoドアで30分以内!思ってたより近かった!)、一幕の最後の15分くらいから滑り込みました。関西二期会のコジは明日の回にしても良かったのかもしれませんが、1日目は私が注目してるびわ湖ホール声楽アンサンブル出身の二塚さんが出るから絶対行かなきゃなのです。

まず入った途端、息のぴったり合ったアンサンブルに軽いカルチャーギャップ!さっきまでと違い過ぎる!いや、もちろん、楽曲も違うんだけどさ、それにしても。そしてこの感じ、これは、前にも感じたような。あのびわ湖ホール魔笛と同じ空気が流れています。そういえば、指揮者は同じ園田さん、コレペトゥールなんかも共通なのかな。いやあ、いいですねえ。これからもこのチームの音楽を聴き続けたいです。園田さんのモーツァルトは、密度が詰まり過ぎていない、さくっとしてモフっとしてちょっとだけ粘り気のある焼き菓子・・・あれだあれ・・・名前が出てこない・・・ダッチワーズ!そう、ダッチワーズみたいな組織を持つところが、とてもいいと思います*1

今日はソリストもみんな良かった。粒ぞろいだった。姉妹とその恋人達、デスピーナとアルフォンソ含めて、アンサンブル完璧でしたね。このオペラでは、これが一番!平野さんは生真面目な姉が思い詰める場面などにピッタリ個性が噛み合っていたし、お目当ての二塚さんは、この人こんなにいい声だったかしら?って改めて思っちゃいました。いや私、声質というよりは、歌唱の個性って観点から注目してたから、あんましそういう観点から見てなかったので。アンサンブルでも一人耳に飛び込んで来る声質でしたねえ、いつの間に。それを言えば、この日の面子は、みな一人一人の声はしっかり立ちながらアンサンブルとしてまとまって聴こえるという状態なのが、すごく良かったと思います。西尾さんもすごく綺麗な余韻を持つバリトン声で、西田さんのおきゃんでくるくる動くデスピーナも良かった。

この日はたまたま来日公演と続けて観てすごくはっきりしちゃったけど、私は日本人のオペラ好きなんですよね。元々の嗜好が日本人の得意とするところに近くて、大声大会よりは細やかなところまで神経の入った繊細さが好きなので、すごくハマるんですよ。ということを改めて自覚した一日でした*2 *3

W.A.モーツァルト作曲
歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』Così fan tutte
<全2幕 原語上演・字幕付>
2012年11月10日(土)16時開演
あましんアルカイックホール

フィオルディリージ   平野 雅世
ドラベッラ 西村 薫
フェランド 二塚 直紀
グリエルモ 西尾 岳史
ドン・アルフォンソ 松森 治
デスピーナ 西田 真由子
合唱◆ 関西二期会合唱団
管弦楽◆ ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団
指揮◆ 園田隆一郎
演出◆ 松本重孝

*1:喩えが微妙過ぎて誉めてないみたいに聞こえますが、誉めてるんですよ!!!

*2:なんとなく国内制作や日本人歌手が軽く見られがちな国内オペラ事情ですが、全然そんなことないと思います。

*3:もっとも古くから国内制作団体の公演を観続けて来た人に言わせると「本当にうまくなった」そうなので、私はそうなって以後に触れたせいかもかもしれません。もし昔の印象で敬遠してる人がいたら、それは勿体無いので、今聴いて欲しいです。