切なくて苦しい・ジャ・ジャ・ジャ・ジャーン

京響の友の会向けのコンサートに行って来ました。500席の小ホールで親密な雰囲気で聴くフルオーケストラ。これまで小さいホールでフルオケを聴くと強過ぎて心地よくないと感じることが多かったのですが、今日は全くそんなこと無し。

でも今日はそんなことじゃなくて、超有名曲ベートーベンの交響曲第5番、通称「運命」ですよ。切なくて、苦しくて、聴いている間に、ここ数年にあった出来事が走馬灯のように脳裏に走って・・・止めて音楽に集中しようと思うんだけど、また頭がそのことでいっぱいになって・・・・そして、心がすごく感じやすくなって、終わってレセプションもあって、なんとなく心ここにあらずながらも平気な顔をしていたんだけど・・・自分でも思いがけないことに、人混みを離れて一人になった瞬間、涙が流れて止まらなくなりました。

何に泣いたんだろう。ああいうものを描かなければならなかったベートーベンの人生に、だろうか。

京響友の会コンサート
2012年12月7日(金)7:00 pm 京都コンサートホール・アンサンブルホールムラタ
広上 淳一(常任指揮者)
ロッシーニ:歌劇「どろぼうかささぎ」序曲
ベートーヴェン交響曲第5番ハ短調op.67
マーラー交響曲第5番 第4楽章アダージョ(アンコール)

私はベートーベンが苦手だったんだけど、何故苦手なのか、よく分かった気がしました。こんなものにそうそう触れてしまったら大変なことになる。自分がドロドロになるし、ついうっかりそこに触れてしまって、日常生活がうまく送れなくなるかもしれない。受け手の側が準備が出来ていなければ、やはり無意識にガードすると思う。それだけのものを含んでいるのだ。

こういうことは、よいインタープリターがいないと分からない。それが出来ている今の京響と広上のおっちゃんは、本当にすごいと思う。今日壇上でおっちゃん自身も言ってたけど、今の日本人が認識してる以上にすごいと思う。

でも、この曲って、全然「運命」じゃないよね。もっとこう、主観的なスタンスの言葉がしっくり来る曲だよね。ここで描かれているものは。