クラシカル・クロスオーバーに求めるもの
元々こちらの記事がきっかけで考えた文章ですが、言いたいことを全部詰め込むとコメントとしては長過ぎ&元記事と関連が薄くなったので、自分のblog用の文章として使いまわしちゃいます。
私は本気のオペラ曲や声楽曲よりクロスオーバー的な存在が好きで、特に自宅でかけるためのアルバムを買う場合にはそっち系統を好んで買いがちな傾向があるんで、いい機会だから考えてみました。オペラどころかクラシック音楽にも全く縁が無かった状態からこの半年くらいで急にハマった身として、入門者用ってことをかなり意識してます。
何故クロスオーバーなのか。
- 日常生活で聴きたい。オペラや本気の声楽曲は、本気で向き合って入り込めるときにはいいが、いつもそうしていられるわけじゃない。そうでないときにもっと軽いノリで聴けるものが欲しい。でも好きな音(声)には触れていたいから、軽めだけど演奏はオペラ関係者がいい。
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- よく知れば、オペラでも歌曲でもそれに近い曲や演奏はあると思うんですが、主流じゃないしいきなりそこに辿りつくことは出来ないので、もっと分かりやすいパッケージが欲しいなと。
- というかですね、オペラ暦半年になっても、まだそういうアルバムを殆ど知らないので、知ってたら教えて頂けると喜んで購入に走ります。
- (慣れていない段階で)いきなりオペラ調全開は抵抗がある。日常の中でいきなり部屋でオペラ調の音楽が鳴ってたら照れる。大袈裟過ぎる。
- 家人が嫌がる(笑)。聴きたくないときに聴かされるオペラは最悪だそうです。クロスオーバーで緩和出来ているのか不明ですが、オペラの全曲なんて好きで聴いてる本人ですら鼻に付くときがあるので、付き合わされる方は溜まったもんじゃないだろな、と。
クロスオーバーに求めるもの
- 好きな音(声)で鼻歌ノリで聴けるもの。いえ、鼻歌なのにホール中に届く*1とかそういうことじゃありません。そういうのが可能な技巧も発声もお持ちなのは分かりましたが、毎日フレンチだとお茶漬け食べたくなるじゃないですか。
- 実力のある人が好きな歌をノンジャンルで紹介してくれるのが楽しい。特に地域色がある曲だと好感度大。
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- この地域性ってのは、オペラ歌手のクロスオーバーアルバム聴いて実に魅力的だと驚かされた要素でして、好きな声をきっかけにして知らない文化に触れられる面白さもありますし、本人ものびのびしてて身体的なレベルでしっくり来てる感じもいいと思いますし、それにクラシックアレンジが入ることで適度な距離感になっていいです。ポピュラー音楽だと地域性無しか地域性が前に出過ぎのどっちか極端に振れがちなので。
- ポップスやミュージカルなんかの耳馴染みのいい曲のクラシックアレンジが魅力的。
- なお、この求めるものの項は、ターフェルをかなり意識して書いてました。ターフェルのウェールズの歌とか、島の歌が好きなので。あとアラーニャのシチリアの歌とか。
これは楽しい!!
で、元記事のコメント欄で教えてもらったんですが、
Luciano Pavarotti "Ti Adoro"
うわあっ!これは楽しい。これを流しながら掃除とかしたらはかどりそう。何故に掃除なんだ私は*3。
これうまいですよねえ。気取らないのどかな導入部から、ミュージカル風の楽しい舞台*4を挟んで、オペラハウスの中に入っていって「ああ、そういえばオペラ歌手だったっけ」と意識させられるんだけど、オペラハウスに入った後は、ビッグバンド風だったり、サーカスだったり、キャバレー(クラシカルな方の)だったりして、クラシックにありがちな気取りや大袈裟さや堅苦しさはなくて。そしてあっさり終わって、のどかに去っていくという。
ところでこのビデオに出てくる、チンクエチェントにグリル足したみたいな顔した可愛い車はなんだろうと思って探してみました。Fiat 600 Multipla、1956年発売のイタリア車だそうです。ひとつ賢くなったよ!