ワルキューレ@コペンハーゲン・リング

今週届いたコペンハーゲン・リングを動作確認だけしとこうと思って*1、DVDを再生しはじめたら、どうしてもどうしても途中で止められなくて、ついついワルキューレの1幕を見てしまいました。つか、今も止められてません。2幕再生しながらこれ書いてます。

  • にゃはははー。これは大変だ。何が大変って、ジークムント&ジークフリートのスティーグ・アンデルセンが60歳目前ということですね。DVDはかなーり辛いですね。顔はすっごい厚塗りされちゃってコテコテになってるし。ワルキューレではカツラなんですが、このカツラがこれまたすごくアンナチュラルで、襟足すごい浮いちゃってるし。いやー。ちゃんと芝居してるだけに見てて辛いものがあるわ。アップスケーラじゃなくてダウンスケーラ(画像をボカして再生する仕組み)が必要です。
  • てゆーかごめん。いつもMETのDVDとかケチつけててごめん。全力で謝ります!!!私が悪かった!!!という勢いでダサいわ。衣装が。メイクが。見せ方が。カメラが。10年以上前の水準にタイムスリップしちゃった感じ。せめてカメラなんとかならないかな。昔のテレビ番組見るとああやっぱ技術進歩してんだなーって思うじゃないですか。ああいう感じ。
  • アンデルセンの歌唱はやっぱ好き。能天気でハイホーハイホー言ってそうなニュアンスが(私にとっては)しっくり来ます。いつも主役テノールに感じる違和感と抵抗感が、全く無い。特にジークムント&ジークフリートシリーズにはぴったしだと思います。あの野生児の英雄達はきっとこんな感じなんだ。これまでテノールを聴いて上手いと思うことはあっても好きだと思ったことは無かった私が、はじめて好きだと思ったテノールです、この人。
  • ジークムント&ジークリンデが、本当に双子に見えます。元々基本的な顔型とか大雑把な顔立ちが似てる同士で、髪の色を合わせたくらいで*2、双子設定に無理がありません。
    • しかしだからって近親相姦の怪しげなニュアンスが出るかというと出ないところが、なんともはや。いやー。でもさ、リアルだよね。現実ってこんなもんよね。
  • フンディング役のスティファン・マイリングさんがなかなかよろしい。ドスを効かせるときのやり方がフルラネットに似てる。あとジークムントと交代で映ると、ついつい思ってしまいます「若いって素晴らしい」。いやこの人いくつなのか知らないけど、見た目は簡単に言うと男性ホルモン過剰な若ハゲだけど、つまりめっちゃ若かったりはしないんだけど、60オーバーの人が40代の人見て「まだまだ若いわよー」と言いたくなるあの感じ。
    • でもこれ見てると、やっぱパーペでフンディング見たいなーって思っちゃいますね。めっちゃハマると思うこのキャラクター。ヴォータンデビューを控えてるのに私は何を言ってるんだ。でもどっかにパペフンディングの映像残ってないかな。
  • 年齢の話のついでだけど、でもドミンゴだって御年60を超えてやってたよねえ、この役。まああの人は見た目の雰囲気が完成されてるからなー。童顔のまま皺だけ深くなったみたいな外見のスティーグには辛かった。うまく年をとるって難しい。舞台で観る分にはたぶん大丈夫だよ。歌は若々しいし。
  • でもフンディングに刺されるところは、あれは無いと思うよ。おーいホルテンさんよ*3 *4 *5

ああこんなことばっかり書いてたら、なんかDVDの販売を邪魔してる気がする。ちゃんと、観はじめたら止められなくなっちゃうくらい面白いですよ。通して鑑賞してレポするのはお正月の予定です。

*1:通販で買ってるので初期不良は先に確認しとくに限ります。

*2:そのおかげでジークムントはカツラ浮きまくってますが。

*3:タンホイザーのビデオにも出てくる演出家です。http://d.hatena.ne.jp/starboard/20091209

*4:ついでにすいません、このビデオのタイホイザー別人でしたね。声しか知らなかった&歌唱の傾向(←能天気っぽさ)が似てた&Bキャスの人は来年にならないと出番来ないのトリプルで、勘違いしちゃってました。こっちの人も気に入ったのでこれからチェックしようと思います。

*5:しかしそれにしても何なんだ。デンマークは私好みのテノールの宝庫なのか?それとも・・・・スターテノールに求められる華的なもんに抵抗があるので、メジャー劇場で主役を貼るような人が気に入らないのは必然なのか。ローカルにはいっぱいいるのか。