録音が主食です/未来論風味再び
こちらを踏まえて考えたことです。
全く自覚していなくて、このやり取りで気付いたのですが、それだけで元記事を書いた甲斐があったというものですが、私の主食は録音だったんですね。なんとまあ。
もちろん公演に足を運ぶことも楽しいし、今後積極的にしていきたいけど、地方在住でもあるし、なかなか頻繁には行けない。Madokakipさんなら勤務先・居住地すら変えてしまいそうですが、まあ、それもなかなか難しい。じゃなくてライブに行くこと自体は楽しいけど、日常音楽を聴いている時間が長いこともあって(なんせ自由業なので)、日常聴く音楽を充実させることが主目的というか本来の目的というか、どんだけライブに足を運んでもそれはプラスアルファであって、メインではないんですよね。
そして録音が主食である私は、胸に手をあててよくよく考えた結果、録音向きの歌手でも、録音だけの歌手でも、録音が主食である私の音楽生活を楽しくしてくれるならOKらしいです。そして、大箱で映えないという理由で可能性が狭まっているのだとしたら勿体ないなーと思ったのでした。つまり、すごく録音に特化した歌手、それは必然的に現在オペラハウスで活躍している歌手の歌唱とは異なるものになると想像したんですが、そういう存在があり得るなら是非聴いてみたいと思っちゃいました。声を張り上げずに済む分、コントロールやニュアンスがすごく強化された状態を想像したのですけども*1。
さらに言えば、舞台でマイクを使っても、その分新しい魅力で楽しませてくれるなら全然OKだとも思ってしまいました*2。ま、このへんは、そんなの本物じゃない論争になってしまいそうでありますし、そりゃミュージカルじゃないのって意見も出そうですが、オペラの定本があってそれをアレンジするという枠の範囲内でやる分にはオペラかなーと。その線で行けば、他ジャンルとのコラボとかも楽しそうですね。ラップオペラとか。定本があってそれをアレンジするという文化が個人的に好きなので、バリエーションがあってもいいんじゃないのとすぐ思っちゃうんですよねえ。
こういうことを考えるのは、コメントでも書きましたが、私が作り込みの電子音楽なんぞを好んで聴いてきた人間だからでありまして、テクノロジーでなんとかするってことに抵抗がないんです。根が技術屋ですし。ついでにオーディオ趣味も関係してるかもしれません。オペラの歌唱をスポーツの一種のように考えると、そんなのは偽物だってことになるかもしれません。
余談ですが、オペラの歌唱ってスポーツみたいですよね。自由に歌えている人に接したときに感じるものが、スポーツで自由に身体を動かせる人を見たときと同じ感覚なんですよ。「あー、思い通りに動けていいなあ」って。
あと、全く逆の方向で、すごく小さい会場で、迫力でなくて、ニュアンスに特化した公演てのがあったら、それも是非体験してみたいですね。サロン風っていうのかな。チケット代がすごいことになりそうですが。
その他の雑多な感想を順不同で。
- ライブビューイング企画が何故ライブにこだわるのか私には全くピンと来ていなかったんですが*3、Madokakipさんの回答を読んでライブにこだわる気持ちはちょっと分かりました。
- 「舞台→録音」から「録音→舞台」になるという話
- 私はリアルタイムで経験してないので分からないんですが、これはもうずっと昔の話であって今の変化ではないのでは?と思いました。逆に、これまで問題にならなかったのに今特に「録音→舞台」が問題になるほど録音が売れているなら録音派としては一安心です。
- けど今問題になっている「録音→舞台」とは、DVDが安価になって観客の中でそれが標準化したり、映像が高画質化したり、映画館で手軽に迫力ある映像体験が出来たりすることなのかなーと思いました。
- あと今ならではの変化としては、ラジオ放送のネット配信やYouTubeのような共有サイトで、従来だったら極めて狭い範囲の人しか入手出来なかった音源が、広く共有されるようになったことですかね。ネット通販で各国の国内盤のような存在が簡単に購入出来るようになったというのもあるかもしれません。録音の流通経路が変わった影響はある筈。そのおかげで新規流入する私のような存在もいますが。
- もうひとつ、なんか書こうと思ったことがあって、それを忘れてしまったので思い出すまでこのネタ書くのを先延ばししてたんですが、思い出さないので、ここで一旦吐き出します。思い出したらまた書きます。お風呂掃除してて思いついたんだよな(←未来の自分のためのヒント)。