放課後、生徒指導室に・・・@トリイゾ初邂逅記
半年も前のことなのですが、これを吐き出しておかないと安心して先に進めないので、思い出しながら書いてみます。ずいぶん時間が経っちゃったんで、ちゃんと当時の心境を再現出来るかなあ。これをアウトプットしておかなかったことが気がかりで、先日の初鑑賞時に2幕、3幕に没頭出来なかったというのもあるんですよね。
さて、こういうきっかけ*1でMETプレイヤーで見つけたジェーン・イーグレンのブリュンヒルデが大層気に入った私は、他にイーグレンの音源は無いかと思って、ライブビューイングの対象にもなっていてご存知の方も多いであろう2001年のトリイゾを見つけました。パーペ出演作なので、もちろんディスクはとっくに購入して積んであります。そして、ちょっとだけと思って、ついついそのままMETプレイヤーで再生しはじめちゃったんですよね。なんでディスク買ってちゃんと気合を入れて観ようと思って後回しにしてる音源を、こんないい加減に観始めたのか。巡り合わせって不思議なもんです。
さて再生はじめたら、ちょっとだけと思っていたのに、どうしてもどうしても止められなくて、結局一幕の最後まで聴いてしまいました。そして、ついに、問題のあの部分に差し掛かったのでした。この先アダルト注意報のため不親切に書きますのでよろしく。
なんですかこの音楽は!!これ・・・・「甘い痺れ」が描いてあるじゃないですか!!!!!
これを劇場で聴くの?千人以上の人間が一緒に?マジですか?なんたる破廉恥!なんたる革新!すさまじい破壊!ちょっとフリッカ、あんな双子の一組や二組放っておいていいから、こっちをなんとかしなさいよ。ちょっとワグネル君!放課後生徒指導室に来なさい!!
そうか媚薬ってあれのことだったんだ。妙に納得*2。
まあそういう音楽なんですよ。このプロダクションはまた、この瞬間を、たっぷり休止時間をとって、極端にミニマルなセットの中で杯を飲み干して立ち尽くす2人が逆光を浴びてシルエットとなり、その背景はプロセニウム一杯のスクリーンに薄いグレーの素っ気ない光からはじまり、うっすらピンクがさして、どんどん赤みが強くなってついに真っ赤っかになり、ただただ立ち尽くす二人という描き方をするんですよ。
いやー。この演出のここ評判悪いのは聞いてますけど、私はこれ正しいと思った。もしこれを観て聴いて、気恥ずかしくなり、居たたまれなくなり、それまで気にしていなかった隣の座席の人が気になったりして、あまりにもあからさまで過剰であると感じたら、それは全く正しいと思う。ついでに大多数に支持されないのも正しいと思う。
私はここまで聴いて、今はまだこれを聴く準備が出来てないと思って、慌てて中断しました。というのが半年前の話。さて、これで安心して積んであるディスクに手を付けたいと思います。