新国フィガロ

本日の公演に行ってきました。結構楽しめました。私的には伯爵夫人がヒットだった。残りの歌手陣も粒揃いというか、粗のない公演でしたね。合唱がもうちょい揃ってたらもっとよかったかも。

同好の士の志で*1、4階正面一列目と舞台寄りのZ席を体験出来たのですが、私はZ席の音が断然好きだ。あそこは安定して買えないから困るけど。オケ横のサイド席好きはすっかり固定してきた模様です。で、オケもここで聴いた後半は割と良かった。

それより何より強調したいのは、直前が上海だった関係で、まともな箱で聴くとやっぱいいなあー!ということ。歌手の声が圧倒的に聴き易いもん。上海は後半慣れたけど、そんな補正して聴くより直接聴く音がよい方がよいに決まってる!またすぐ忘れてブツブツ文句を言うかもしれませんが、たまには不便を経験しないと有難味が分からないってもんです(あれ?)。

演出は、つーか舞台セットは、金返せ感がありますね、やっぱ。いや私は大して払ってないからいいけど。1幕で寂しいなと思ってたら、2幕で「ええっ?変えないの?」と目が点になり、「3〜4幕でもそのままとはこれいかに?」状態に。舞台セットが白〜オフホワイトで、衣装がみんなモノクロで、照明も普通だから、いかにも寂しいです。舞台美術として如何なものかと。保守だけど実験?みたいな。反射板に囲まれているので、音響的には良い方向に作用したんじゃないかと思いますが。

あとは、真面目なフィガロでしたねえ。もっとこう、しょっ中くすくす笑いが起こり、ときには大爆笑になって、基本そんな喜劇トーンで、ところどころ人生の儚さや美しさを垣間見せるのがフィガロかと思っているので、日本だと聴衆のノリもあるのかもしれないけど、みんな真面目だなあ・・・・と思って観てました。私はホルテンのフィガロ経験済なので演出面では要求バカ高いかもしれません。つーか新国の演出にはいつも厳しい評価ばっか出しててすいません*2 *3 *4 *5 *6 *7

*1:音響比較が趣味で、同一公演で1幕分だけ座席チェンジしてくれる方、常時募集中です。

*2:別にどこに対しても厳しいわけじゃないんですけどね。関西圏の小さい公演で満足することも普通にあるんだけどなあ。

*3:なんかね、外国の名の通った人を呼んで、その人がベストを尽くしてない感が嫌なんですよ。やっつけ感。毎日オペラがある土地柄だとそういうのもあるよねで済むのかもしれませんが。

*4:要するに、工夫が無いと。奇抜にする工夫じゃなくて、その作品から何を伝えたいのかという方向性の工夫。単に時間軸に沿って処理するんじゃなくてメリハリ。

*5:ああ最後に穏やかで無いことを書いてしまった・・・・。

*6:でも奏者のみなさんは、演技も含めてみんなよくやってたと思います。

*7:というわけで注釈欄で一人ツッコミ合戦終わり。