Dacapoセール記念/デンマークお薦めディスク3点+α

お知らせしたいことも*1書きたいことも色々あるのだけれど、今日はもうすぐDacapoのセールが終わってしまうというお知らせが来たので、とりあえずDacapoからこれを買え!3点紹介を試みてみる。っていうかこんな機会でもないと、どんどん書くのを後回しにしてしまいそうなので、取り急ぎアウトプット。まさか本当に買う人がいるとは思えないが、MDTのセールを前提に、日本から購入する場合のVAT抜き送料込みの価格表示付き。

Borresen: The Royal Guest

http://www.mdt.co.uk/public/pictures/products/standard/8226020.jpg
http://www.mdt.co.uk/MDTSite/product//8226020.htm 約£9=1200円強
http://www.dacapo-records.dk/en/recording-the-royal-guest.aspx

以前に紹介を書きかけ+翻訳もちょっとだけしてみたディスク。大人のためのサンタクロース物語で、決まりきった日常を繰り返す夫婦のところに奇妙な客人がやってきて、忘れていた人生の楽しみを思い出すという「ちょっといい話」系スモールオペラ。近年の上演こそないもののデンマークではかなり人気を博した作品で、過去百回以上の上演が行われているそうです。作曲家ハーコン・ボアセンは Last Danish Romantic と言われて20世紀初頭に活躍した人。これぞデンマーク・ロマンティックな音楽が聴けます。デンマークオペラ入門としても、家でオペラの録音を聴く習慣がない人のオペラ入門ディスクとしてもお薦め。(主に初心者に)お薦めの理由を近々に書きます。

Weyse: Sovedrikken (眠り薬)

http://www.dacapo-records.dk/img/album/x385/8.224149-50.jpg
http://www.dacapo-records.dk/en/recording-the-sleeping-draught.aspx

すいません、セール記念企画と言いつつ、セール対象品でないディスクを出してしまいました。Dacapoから3点と言えば絶対入れたいのがこのディスクです。

デンマークのジンクピュール。ストーリーは、外科医の頑固親父で「娘の結婚相手は医者以外許さーん」なブラウス*2とその娘*3、娘の恋人で医者だと偽ってブラウス家に居候している弁護士、色気より食い気のブラウスの助手*4、ブラウスによってこの助手と結婚させられそうになっている看護婦、その恋人で村の猟師*5、村の作男*6、ブラウスが秘かに思いを寄せている粉屋のおかみさん*7、そして自分の女房にブラウスが言い寄っているところを目撃してプンプンな粉屋のマルツ*8という、人物について書いただけでドタバタが想像出来そうな典型的なドタバタ物語となっております。外科医が治療に来たおかみさんに言い寄っているところを粉屋が発見してただでさえややこしくなっているところに、若いカップル達が頑固親父へのとりなしを親父のお気に入りの粉屋のおかみさんに頼もうとやってくるので、もうめちゃくちゃです。音楽を聴くだけで舞台が目に浮かぶ演奏となっていて、フィガロ一幕のかくれんぼ的な、こっちで誰かが隠れているとあっちで別の誰かも隠れてて、蓋を頭に載せてひょいと首出してみたり、扉を開けると裏側に人が貼り付いてたりといった、ドリフコントのような舞台が目に浮かぶのでした。最後は窮地に追い込まれた外科医が「もうお前達の結婚も許す!あれも許す!これも許す!全部許す!俺が悪かった!」と言ってメデタシメデタシと相成るわけです。はっきり言ってくだらないけど、プンプンな粉屋は可愛いです。

以前紹介したアナセン音源と、最近再紹介したクリステンセン音源はこのディスクからでした。もう一度貼っておきましょう。
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LEWKOVITCH: Vocal and Instrumental Works

http://www.mdt.co.uk/public/pictures/products/standard/DCCD920708.jpg
http://www.mdt.co.uk/MDTSite/product//DCCD920708.htm 約£10=1300円強
http://www.dacapo-records.dk/en/recording-vocal-and-instrumental-works.aspx

さて3枚目は、セールでもないと絶対買わないようなディスクを挙げておきましょう*9。現役作家の宗教作品集です。はっきり言って、こんなに変だよデンマーク!が堪能出来る一品です。騙されたと思って聴いてください。癖になるから。初聴きのときにはなんじゃこりゃと思ったのに、何故かリピってしまう中毒性の高い作品です。

番外編/Langgaard: Music of the Spheres

http://www.mdt.co.uk/MDTSite/product//6220535.htm 約£9=1200円強
http://www.dacapo-records.dk/en/recording-the-sleeping-draught.aspx
http://www.mdt.co.uk/public/pictures/products/standard/6220535.jpg

セール記念と言ったのにセール対象外を一枚含めてしまったので、穴埋めでDacapoの最近のリリースからお薦めの一枚を追加紹介しておきます。今年のBBC PROMSでお披露目されたダウスゴー指揮のランゴー「天体の音楽」です。デンマーク音楽といえばやっぱり前衛ものを入れておかないと片手落ちなわけですが、その中でもデンマークらしく、かつ街中のカフェで流れていそうなお洒落環境音楽としても聴ける作品です。でもその構成を考えはじめると、とてもカフェ気分では聴けなくなるかもしれません。ちなみにランゴーの天体の音楽としては、CHANDOSから出ている先行録音(DR響/ロジェストヴェンスキー)もオススメであります。


その他のDacapoのセールリストはこちら。10月26日の注文まで有効です。

最後に、普通に日本で買いたい人のためのamazonリストを付けておきます。殆どマーケットプレイス経由で結局海外からの購入になっちゃうけどね。

*1:いいニュースあるよ!

*2:コペンハングンターのパヴァタルさん

*3:最初のアリアの透明感がいいです。Eva Hess Thaysen

*4:コペハン若ヴォータンのヨハン・ロイター

*5:すだれクリステンセン

*6:ビリエルさん

*7:Tina Kibergさん

*8:アナセン

*9:でもこのディスク、あんま流通してないか、たまたま見つけると高価かったので、セールになってるのを見たときは吃驚しました。