京響スプリング・コンサート/日本の映画音楽特集
去年の丸山公園野外音楽堂のような伸び々々リラックスした感じをイメージして行ったのだけど、ちと違ってしまった。普段クラシックを聴く習慣が無い人対象に、日本の映画音楽特集として馴染みのある曲をという趣旨の演奏会だったのだが、自分に関しては、今日の選曲の方が馴染みが無いという逆転現象が起きてしまった。別にいつものプログラムだってそんなに馴染みがある曲ばかりでもないが、なんというか進行というか曲調というかがあっちの方が日常になってしまっている。他の人にとっては、映画そのものを見たことが無くても、なんとなくTVで聞いたことがあるわーというのがあるのかもしれない*1。ただ、間に入るトークから理解するに、日本の映画音楽の歴史早送りみたいな構成になっているようで、ちゃんとすごくポピュラーな曲は入っているものの、何年も続けるうちに選曲がマニアックになるのは仕方無いのかなーという感触で、入門企画に足を運ぶ客に対してはどうだったのだろうと思った。
2011年4月10日(日)2:00pm 京都コンサートホール
京都市交響楽団 スプリング・コンサート 日本の映画音楽特集
京都コンサートホール・大ホール
広上 淳一(常任指揮者)
高橋 多佳子(ピアノ)
ナビゲーター:千住 明(作曲家)
宮川泰:交響組曲「宇宙戦艦ヤマト」から、「発進」
久石譲:おくりびと〜memory〜
千住明:「砂の器」(TBS日曜劇場)から〜ピアノ協奏曲「宿命」
早坂文雄(松木敏晃編曲):交響組曲「七人の侍」から、怯える村〜練達の士
芥川也寸志:交響組曲「八つ墓村」から
武満徹:「3つの映画音楽」から
訓練と休憩の音楽〜「ホゼー・トレス」から
ワルツ〜「他人の顔」から
伊福部昭:SF交響ファンタジー第1番
千住明:「風林火山」(アンコール曲)
今日は、なんと言っても武満徹の曲が印象深かった。ジャジーだったりワルツだったりでとっつきやすそうでありながら、なんかそれだけでもないゴツっとした魂みたいなものがあって、なんとも言えないけど「何かある」感じだった。おっちゃんとナビゲーターの人がやっぱり「なんというか、こう」「すごいなにか・・・ありますよね」みたいなやり取りをしていて、ああそうだなあと思った。今日はこれを聴けただけで収穫だった。
他は「七人の侍」が面白いと思った。音楽を覚えてないほど以前に見たきりなので、見直してみたいと思った。SFファンタジーのゴジラのテーマで、頭の中が「ゴジラ、ゴジラ、ゴジラとメカゴジラ」でリフレインしてしまって、実に困ったことになった。
もはや誰も聞いちゃいないだろうが勝手に思い出話をするが、これはなつかしいNHK-FMのサウンド・ストリートという番組でリスナーから募集した素人投稿録音をかけるコーナーがあって、その中の傑作のひとつ「福岡市ゴジラ」である。このコーナーの傑作を集めた特集は後に「DEMO TAPE-1」としてリリースされた。中学生の頃に録音したこの特集のカセットテープを後生大事にとっておいて、社員旅行のマイクロバス*2でかけてはウケをとっていたのは、ここだけの秘密である。などという甘酸っぱい記憶も思い出してしまった本日のコンサートでした(「福岡市ゴジラ」が甘酸っぱい記憶とは、よほど暗い青春時代を送ったのだな>自分)(ほっといてくれ)。