メリー・ウィドゥ@大東サーティホール

今日の公演を知ったのは、先日の京都会館で観たフィガロがきっかけだったりします。そのフィガロのレポをいまだに書いていなくて、早く書きたいのですが、詳しくはそのレポの中で。さて最近関西のオペラ事情&ホール事情を勉強するために、行ったことのないホールには積極的に行くことにしていまして、やってきました。

大東サーティホールは24年前に市政30周年を記念して作られたホールということで、図面でもホールの中に入った印象でもアルカイックホールに似ています。2階席のないアルカイックホールみたいなもんです。ちなみに座席数は1224席(うち154席はオケピ分なのでオケピ使用時は1070席)、舞台の間口は14〜18m(可変式)、奥行きは14m、プロセニアムの高さは9mで舞台高さとしては18m・・・あ、ホールのメモは私の最近の課題ですんで。で、この会場でフルの全幕公演をやってました。セットはごくごく簡素で歌手の動きに集中させる感じ。幕も使わず施設備え付けの緞帳を閉めた前で歌うシーンがあるくらい。

メリー・ウィドゥは、音楽はなにか現代的だと思った。映画音楽っぽいとも言う。こっちがオリジナルで映画によく使われるテーマがあるという関係かもしれないけど、いかにも映画的な分かりやすい哀愁漂うテーマとか出てくるし、なんとなく展開というかテンポというかも映画音楽的だなーと思った。時代のせいか。演奏は、普通に分かりやすい。

歌手はそれなりだけど、ってそんなアレコレ言うような趣旨の上演でもないと思うんだけど、自分が後で「アレ?この人聴いたことあったっけ?」と思ったときのメモのために思ったことを書くと、ニエグシュの人が良かったなあ。って歌うとこあんまないけど、オペレッタだから台詞大事で、トボケ風味が面白くて、なんか全身の動きが人形っぽいというか、糸で釣られたみたいに地に足がついてないような、そんな感じで徹底してて面白い。お顔というか頭が大きくて、それも人形っぽい。その少ないソロの歌の部分では、台詞のトボケ風味と歌声が連続的だ。あとはダニロの人が柔らかい決め方で、割と良かったかな。女声の主役2人は、いい瞬間もあるものの、もうちょいなにか欲しいとこも。ツェータの人は、それらしい。ソロが一瞬なのであれだけど、嫉妬深い旦那の奥様の役の人が割と良かった気がする。全体に、もうちょっと小さい箱で聴きたい感じはありました。あ、そうだ、完全自由席だったので一幕は10列目中央付近で見て、二幕で後方に移ったのですが、後方の方が全然良かった。オケの音がまとまって歌と分離して聴こえてくる感じがする。前方だと、なんとなく音の質が似てて混在しちゃって、なんかガサガサ・ゴチャゴチャしちゃって、声の美しさを楽しめない感じ。特にソプラノはそうかも。

日本語上演だったのですが、台詞は分かりやすくていいんだけど、歌詞になると聴き難い。訳詞の持つ日本語としてのアクセントと歌の旋律が合ってないせいだと思うんだけど、訳詞の宿命ですね。歌のときだけ原語で字幕が出ると極楽なのに、と思う今日この頃です。

2011年11月27日(日)14時〜 大東市サーティホール
フォーゲルザング「メリーウィドー」
指揮・演出:八百川敏幸
ハンナ:馬場恵子
ダニロ:皆木信治
ヴァランシェンヌ:又吉優香
ツェータ:服部英生
カミーユ:神田裕史
カスカーダ:坂本国司
サン・ブリオッシュ:大川拓哉
ボクダノヴィッチ:富永将行
クロモウ:山川大樹
プリチッチュ:木村克哉
シルヴィアーヌ:入野みえ
オルガ:西村薫
プラシコヴィア:西原綾子
ニエグシュ:久米秀樹
グリゼット:高木千郷
 澤井志津香
 武田有美子
 津山しのぶ
 勝山幸菜
 三柴広子
管弦楽:Jフィルハーモニー管弦楽団