PAC定期ドイツ・レクイエム

やっぱり佐渡さんとは相性が悪いのかもー。ショックー。特に金管が悪目立ちしてしまって、もうちょっとここ刈り込みたいっ!!あそこも!ここも!と思ってしまった。あと2階の正面後方だったので、それもいつもの好みの音じゃないのでイマイチだった原因かもしれない。弦はいいと思う。木管もそんなに悪くはない。合唱は、合唱単体としてのバランスは悪くなかったと思うのだけど。個々の要素というよりは、バランスが、好みじゃないのですよねえ。なんだかズンチャカしちゃったような。

並河さんのソロ目当てで行ったのだけど、これは期待以上だった。今日は高音が素晴らしく、相対的に(中)低音の処理が霞んで聴こえた。実際、曖昧になっちゃった箇所もあったかな。今までの感じだと、逆の印象があったのだけど、また新たな魅力を発見。色々化ける人だ。抑制が効いていて、でもスコーンと届く感じがあって、いいものを聴かせてもらったー。

一方、バリトンの人は、これは本当に個人の好き嫌いの範疇なんだけど、虫が好かないと思ってしまった。なんだか曲に対して強くやり過ぎて鼻につくというか、それは違うんじゃないのーという印象。久々にこういうパターンに当たってしまったなあ。こっからは特にこの人がってわけじゃなく一般論なんだけど、受け手のイメージよりも強い表現って、合わないとき逆に苦痛というか、押し付けがましいというか、どうにも癇に障るというか、そういうのってありません?声が出てればOKな嗜好だとこれでいい(むしろこれがいい)んだろうけどね・・・。

それでも年末に聴いて好印象を持った最終曲では、曲としての構成が元々そうなってるんだろうけど、刈り込みたい感じはずっとマシになって、心地良い時間となりました。ただ、あんときの方が全然良かった。比較にならないくらい。なんでー???座席のせいだったらショックだなあ。自分の選択のせいでチャンスを逃しちゃったってことだもの。

演奏そのものはきっと素晴らしくて、私が理解出来なかっただけだと思いますので、良かったって人は気にしないでください。私としては、とりあえず並河さんのソロだけが収穫だった。なんとも欲求不満になって、帰ってから無性にドイツ・レクイエムの別の演奏が聴きたくなった。推薦音源があったら教えてくださいな。

そうそう、ひとつ発見。ドイツ・レクイエムって、(ラテン語ではなく)ドイツ語のレクイエムって意味だったんですね。ドイツ人のために母国語って文脈ではドイツ人のためのレクイエムであるけど、内容的にはもっと普遍的な対象に向けたものだということを知りました。

2012年 1月 21日(土)
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
兵庫芸術文化センター管弦楽団 第48回定期演奏会
ブラームスドイツ・レクイエム op.45
指揮・芸術監督/佐渡
ソプラノ/並河 寿美
バリトン/キュウ・ウォン・ハン
合唱/オープニング記念第9合唱団
管弦楽/兵庫芸術文化センター管弦楽団