クルト・ヴァイル: マハゴニー市の興亡

これ面白い。ウィーン歌劇場によるクルト・ヴァイルのオペラ。先日のDR放送分を今聴いてる。とても演劇的。つーかミュージカルみたい。ブリテンっぽくもある。耳馴染みはよい。英語かと思いきやドイツ語だった。作中の歌が英語なのですね。

Mahagonny
4. February 2012 19:30
Opera of Kurt Weil and Bertold Brecht directly from the State Opera in Vienna, including Elisabeth Kulman, Angelika Kirchschlager, Tomasz Konieczny and Christopher Ventris. Wiener Philharmonic. Conductor: Ingo Metzmacher. (Optagelse 24.01.).

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去年出たばかりのDVDもあるみたいだけど、ちょっと高いなあ。ストーリー読むだけで面白そうだけど。

クルト・ワイル:マハゴニー市の興亡
ベルトルト・ブレヒト台本

1998年 ザルツブルク音楽祭 ライブ収録/収録時間:160分/音声:ステレオ2.0/字幕:英、仏、蘭/画面:16:9/片面2層ディスク

とある荒野、1台のトラックが故障しています。乗っているのは詐欺と売春斡旋容疑で指名手配中の未亡人ベクビック、帳簿係のファッティ、三位一体のモーゼの3人です。彼らはこれ以上の逃亡をあきらめ、この地にありとあらゆる歓楽が集まる「マハゴニー」という楽園を作ることを計画。客たちから金を巻き上げることにします。街は瞬く間に発展し、まずはジェニーと6人の若い娘たちがやってきます。噂は口コミで広まり、世界中から不平不満を抱えた男たちがやってくるのです。金と権力、欲望に塗れた巨大な都市が出来上がりますが、真の幸せがここにないと気が付いた人たちは、街を去っていきます。ある時、街に巨大なハリケーンが迫りますが、奇跡的に進路を変え、人々は歓喜し、いよいよ街は堕落の一途を辿るのです。中心人物として設定されたジム・マホーニは最後に処刑され、若干の教訓とともに、この荒唐無稽な話は幕を閉じます。1927年4月、この「マハゴニー」によって記念すべきブレヒトとワイル(1900-1950)の共同作業が幕を開けました。彼らは従来のジンクシュピールをもじり、アメリカの歌(ソング)を使った「ソングシュピール」という形式を考案、ジャズを取り入れ、なおかつ、敢えて卑猥な表現を駆使した、新しい舞台芸術を目指したのです。歌劇に愛や夢を求める人には不向きだったかもしれませんが、新しいものを求める人々には強烈なインパクトを与えました。さて、この演奏、鬼才指揮者D.R.ディヴィスの的確な指揮も見事ですが、何よりジェニー・スミスを演じたマルフィターノが見事です。サロメ歌手として人気を馳せた彼女ですが、ここでは更に爛熟した魅力をみせてくれています。過激なシーンでは「手で顔を覆いながら、指の隙間から画面を見る」ことをオススメします。※PAL仕様(100092)で既発売の映像と同内容です。

実演をご覧になった方のレビュー。タイムリーです。
http://happawien.jugem.jp/?eid=1168