ROHの2013/2014シーズン

先週は3本もオペラを観たのだが、熱っぽい中で無理をして遠征したりしたので生活のその他のことに力が回らなくなってしまった。思い切って休んだら20時間連続睡眠とかしちゃって吃驚。この間に色々メモしておきたいものも見かけたのに、そのときにメモらなかったらすっかり忘れてしまった。

かろうじて思い出したのがROHの来シーズン発表。来シーズンは2月のアムスしか遠征しないつもりなのだが、丁度空き日程に良さそうな演目があった。2月3日にホルテン演出のドンジョ、4日にマノンがある。ちょっと慌しいけどホルテン演出なら行ってみようかな。DKTの日程次第だけど。

http://www.roh.org.uk/news/201314-opera-and-music-season-announced
Don Giovanni NEW
Wolfgang Amadeus Mozart
Dir: Kasper Holten
Cond: Nicola Luisotti

Director of Opera Kasper Holten presents a new production of Mozart’s sublime tragicomedy.

Cast:
Don Giovanni – Mariusz Kwiecien
Leporello – Alex Esposito
Donna Anna – Malin Byström
Donna Elvira – Véronique Gens
Don Ottavio – Antonio Poli
Zerlina – Elizabeth Watts
Masetto – Dawid Kimberg
Commendatore – Alexander Tsymbalyuk
Royal Opera Chorus, Orchestra of the Royal Opera House

1 | 3 | 12† | 14 | 18 | 21 | 24 February †Live cinema relay


Manon
Jules Massenet
Dir: Laurent Pelly
Cond: Emmanuel Villaume

A young girl longing for love is corrupted by wealth and luxury in Massenet’s classic opera, directed by Laurent Pelly.

Cast:
Manon Lescaut – Ermonela Jaho (14, 17, 21, 24, 28 Jan) / Ailyn Pérez (31 Jan; 4 Feb)
Lescaut – Audun Iversen
Chevalier des Grieux – Matthew Polenzani
Le Comte des Grieux – Alastair Miles
Guillot de Morfontaine – Christophe Mortagne
De Brétigny – William Shimell
Royal Opera Chorus, Orchestra of the Royal Opera House

14 | 17 | 21 | 24 | 28 | 31 January
4 February

行くべきか行かざるべきか

忙しいのだが、目の前に一枚のチケットがある。4月のマイスタージンガーである。自分で行くか、行くのは諦めて人に譲るか決めないといけないのだが、しかも4月の仕事の都合上、明日中に決めないといけないのだが、どうしようか。というわけで、誰か背中を押してくださいませんか。

行きたい要素

  • そろそろ東京文化会館の5階の音響を味わいたい(これを逃すと次は12月)(←これが一番の理由かよっ)
  • N響を聞いたことがないうえに、自分の趣味上、次の機会もなかなかなさそう。
  • ヴァイグレさんは嫌いではない。
  • フォークトは一度聴いてみるべきだと思うが、録音を聴く限りあんまり好きでないのだが*1 *2、マイジンのワルターは比較的勘に触らない役なのでチャンスかもしれない。

行きたくない要素

  • 全体に、あまり期待出来ないが、一度抑えておくべき的な動機が強い。
  • 以前この組合せでやったバイロイトのマイジンの印象が最悪だった(放送)。
    • その意味でもコンサート形式で東京文化会館の5階で聴くのがいいんだよね(→振り出しに戻る)。

*1:じゃあ現役で誰ならいいのかというと・・・ごにょごにょ

*2:私は歌唱が引っかかると、声で挽回は無いタイプ。

アイーダ@スカラ座来日2013の追加発表分

忙しい忙しい。忙しいのにまたもや遠征が入っていたりして、すっかりブログがおろそかになっています。びわ湖の椿姫レポも忘れないうちに書きたいのに。

本日は、取り急ぎメモしておきたい、スカラ座の大阪公演の情報です。発表済のスケジュールでは、大阪公演はバレエしか入ってなくてがっかりしたのですが、追加でコンサート形式のアイーダが発表になってました。しかも聴きたかったドゥメタルの方。全幕のプログラムは色々気が進まなかったので、これで東京遠征は無しかなーと。会場は新フェスだろうなあ。しかしこの週はスケジュール重なり過ぎ。どれを取ってどれを捨てるか悩ましい。なお、名古屋でのコンサートも追加になってる模様。招聘元のNBSではまだ情報反映されていないようです。

http://www.teatroallascala.org/en/season/tours/2012-2013/japan/aida-giuseppe-verdi.html
Teatro alla Scala Orchestra and Chorus
In concert form
Tokyo - 19 September, Osaka - 24 September 2013
Direction

  • Conductor: Gustavo Dudamel
  • Chorus Master: Bruno Casoni

Programme

  • Giuseppe Verdi: Aida

Cast

  • Il Re: Roberto Tagliavini
  • Amneris: Daniela Barcellona
  • Aida: Hui He
  • Radames: Jorge De León
  • Ramfis: Marco Spotti
  • Amonasro: Ambrogio Maestri
  • Gran Sacerdotessa: Sae Kyung Rim
  • Un messaggero: Jaeheui Kwon

椿姫@びわ湖2013

これは、演出がまずガッカリだったなーと。美術センス・衣装センスともに良くない。カラーセンスが駄目なのが私的には一番よくない。舞台はバリ辺りの南国の社交界設定らしく、男声陣は白系統のスーツ、女性陣はやっぱエキゾチックなサマードレス。別にこの設定だってちゃんとセンスのある人がやったらちゃんとなると思うんだけど、カラーが全く考えられてなくて、舞台全体を見たときにバラバラで落ち着かないことこのうえない。しかも主役二人が全く引き立たない。二幕の二人の愛の巣はなんとも暗い中間色のグレーだし、三幕もヴィオレッタの部屋もそのセットのレイアウト替えだし、二幕のの闘牛士のシーンなど、壁にプロジェクターで映し出されたスペインの動画を観ながら客が歌うという静的な演技付けで、なんとも映えない。三幕の幕切れだけ、ああそれがやりたかったのねーという感じ。それに二幕での愛の巣のヴィオレッタの衣装が、ベージュっぽいスーツであるのも全く分からないのだが、なによりもヘアが、襟足の後ろでロングヘアを軽く結わえただけの、手抜きの生活観あふれるおばちゃん縛りで、百歩譲って素材勝負の金髪美女がやれば肩の力が抜けた感じでサマになるのかもしれないが、遠目に我が同輩の邦人女性を見るには辛く。ちょっと日本人スタッフ、ちゃんといるんだから、そこはちゃんと抵抗してよー!!!

通常華やかなオペラからあえて華やかさを抜きました的なドイツ的なアンチテーゼの結果なのか、イタリアの演出家だから演出はこんなものなのか、しかし演出に凝らないのが当然のお国柄の常設劇場の目玉ではない演目のひとつであればシーズンにひとつくらいこんなのが混じっていてもアリなのかもしれないが、今日は大ホールのオペラを年に2回しかやらないびわ湖ホールのハレの日なのである。いくらなんでもこれはあんまりである。こういう外国人演出家を航空券と滞在費かけて連れて来るのであれば日本人を起用して頂きたい。猛省を促したい。大体、沼尻さんは前回のコジが地元で評判が悪かったのに新聞でこんなことを言って、イマイチな外国人の起用が続いて、自分があっちで仕事を取るためにあっちで仕事がない人を呼んでいるのでは疑惑がかかっているのだ。外国人ならなんでも有難い時代はとっくに終わった。イマイチなDVDの真似も駄目。外国のDVDのような舞台が日本で観れると有難がられたのは一昔前。地方の観客は(東京のヒエラルキーから自由である分)シビアである。国内でもっとちゃんと演出出来る人がいるんだから日本人で良いではないか。地元の複数人から同種の意見を聞いたので、ここまで書かせて頂いた。


この公演、救われたのは京響の音楽であり、なんせオケの出す基本の音が出来ているので安心して聴けるのだが、ゲネプロを聴いちゃった身としては、慣れて熱が感じられなくなった感がするのも事実であった。色んな事情があるのだろうが、ゲネから4日連続というのは考え直した方がよくないだろうか。これがオペラ座付きのオケであれば、毎日の演奏に対してペースが出来るのだろうが、京響はオペラ演奏は年に数回という活動形態なのだから。

歌手は、あんま書くことない。ヴィオレッタの砂川さんは綺麗な声で綺麗に歌えるとは思うが、溜めがなくてさらさらと流れてしまって、躊躇とか、その挙句の苦渋の決断というものはあんまり感じられなかったように思う。あと特に温まるまでの前半の間の、音程を上げるレガートのときの癖みたいなものが気になった。実はAキャストのヴィオレッタも全く同じ癖があるように思ったのだが、同門だったりとか、なんか理由があるのだろうか。

福井さんのアルフレード、誰だこのキャスティングをしたのは。もう話がねじ曲がっとるやん。この下から持ち上げるように歌うおっさんが、口を聞いたこともない女性の家に一年も黙って通ってるわけないやん。絶対、見かけた次の瞬間にはアピっとるね、アレは。初々しさナッシングである。私は声質至上主義者ではないので声質が合っていなくても寛容な方だが、それは元々の声質と違っても歌い方でどこまで変わるか知っているからで、歌い方が違うのはナシである。大体どう考えても芸風が違うのだから、これはキャスティングした人が悪いと思う。

パパはまあ良かったと思うよ。ただ、私はヴェルディバリトンはあんまよく分かんないので、客席が沸いている割には、ものすごく特別だったかというとよく分からない。

その他の小役に特筆したい人はナシ。これが楽しみなのになあ。

びわ湖ホール プロデュースオペラ  ヴェルディ作曲 歌劇『椿姫』
開催日/2013. 3.10(日)びわ湖ホール 
指 揮:沼尻竜典
演 出:アルフォンソ・アントニオッツィ
ヴィオレッタ      砂川涼子
アルフレード     福井 敬
ジェルモン       黒田 博
フローラ       小野和歌子
ガストン子爵     与儀 巧
ドゥフォール男爵   北川辰彦
ドビニー侯爵      斉木健詞
医師グランヴィル   鹿野由之
アンニーナ      与田朝子
ジュゼッペ      村上公太
合  唱:びわ湖ホール声楽アンサンブル、二期会合唱団
管弦楽京都市交響楽団

ついでに、びわ湖ホール次のプロデュースオペラであるが、えーーー。起用外国人には大いに不満がある。よりによって私の聴いたことのある人ばかりなのだが、特にヴォータンが、これまで聴いたワースト・ヴォータンどころかワースト・バリトンである。ひたすらフラット。一緒に聞いていたドイツ人が何アレ?と。私はこの人のことをミスター・フラットマンと呼んでいる。去年兵庫でこの人を使うのを見かけたときは、私が聴いた役とは違うから黙っていたけど、ワルキューレは聴いたことがあるので言わせてもらうが、なんでよりによってワーストを引っ張って来るのよー。もう日本人キャストの日で決定。それでチケット確保した。しかし上海の聴衆には大ウケだったから日本でもウケちゃうんじゃない。声質さえそれっぽかったらフラットな方が歓迎されちゃうアジア市場だから。もう彼はアジア専門でやっていけばいいんじゃない。しかしわざわざこういう人を呼んで来るんだったら、国内の歌手に活躍の機会を提供して欲しいものである。

二塚直紀(テノール)@NHK-FM 朝9:20〜

当ブログでプッシュしているびわ湖声楽アンサンブルの二塚さんのリサイタルの模様がNHK-FMで放送されます。というかもう一度されたんですが、明日3/8(金)の朝9:20に再放送があります。放送を聴くに、やっぱこの人面白いなーと。日本人には超めずらしい「明るく投げやり」で「のほほんクレイジー」なテノールが楽しめます。基本的にはのびやかなんだけど、そこに入るユーモラスなテイストが、なんとも面白いんですね。
是非再放送を聴いて頂きたく、紹介します。NHK-FMネットラジオでも聴けますので(今のところ国内のみ)、こちらにGO! → http://www3.nhk.or.jp/netradio/

http://www.nhk.or.jp/classic/nova/
NHK-FM リサイタル・ノヴァ 二塚直紀(テノール

  • 放送 3/3(20:20-21:00)
  • 再放送 3/8(9:20-10:00)
  • 「きみにささぐ」 シューマン作曲 (2分20秒)
  • 「私の美しい星」 シューマン作曲 (2分40秒)
  • 「時は春」 ウォルフ作曲 (1分30秒)
  • 「楽劇“ワルキューレ”から“冬の嵐は過ぎ去り”」 ワーグナー作曲 (3分20秒)
  • 「朝の歌」 レオンカヴァルロ作曲 (1分50秒)
  • 「私のすてきな恋人に」 ドナウディ作曲 (3分20秒)
  • 「禁じられた歌」 ガスタルドン作曲 (3分20秒)
  • 「歌劇“トスカ”から“たえなる調和”“星はきらめき”」 プッチーニ作曲 (5分25秒)
  • シャンソン・コミック“電話”」 薩摩忠・作詞、湯山昭・作曲 (3分00秒)
  • (テノール)二塚直紀
  • (ピアノ)佐藤明子
  • 滋賀県・日野町町民会館わたむきホール虹で収録〜 <2013/1/26>
  • リサイタル・ノヴァから 〜7つの質問〜
    • 1.自分の楽器の好きなところは?
      (声なので) 世界に一つしかないところ。声ほど表現力のある楽器は無いところ。
    • 2.一番好きな作曲家、好きな曲は?
      リヒャルト・シュトラウス「バラの騎士」。
    • 3.演奏していて「幸せ!」と思う瞬間ってどんな時?
      私が気持ちよく歌っていて、客席の空気の変化を共有できた時。
    • 4.音楽家以外の道を進むとしたら何になりたい?もしくはなりたかった?
      料理人。
    • 5.携帯電話の着メロは?
      昔の黒電話。
    • 6.○○マニアという言葉に自分を当てはめると、貴方は何マニアでしょうか?
      もちろん「声楽マニア」。
    • 7.世界で一番美しいと思う物、事、それは何でしょうか?
      音楽。

椿姫ゲネプロAキャスト@びわ湖ホール

行って参りました。本公演前に細かいことを書こうとは思いませんが、なんだか、ずいぶん迷走しているような。京響の演奏はとてもいいです。オケは自信を持ってお薦め出来ます。