納得の魔笛!@広島オペラルネッサンス

これ、本当に、素晴らしい公演でしたねえ。つい先日「世評高いプロのルーティンより市民オペラ」なんて書いた直後にこんな評を出すなんて出来過ぎのような気がしますが・・・いや、偶然じゃなくて予感だったのかもしれません。

というわけで、先週末は広島にオペラを見に行って来ました。来日オペラ観てもビッグネームに触れても「こんなもんかな?」だったのに、関西ローカルの公演を観て大層感動して味を占めた私は、ずっと関西以外の地方オペラも見に行きたかったのですが、ここ2年ほど色んなことがあり過ぎて行けなかったのが、やっと動ける時期に行きたい公演を見つけたのです。みつなかオペラで注目した藤田卓也さんがタミーノを歌うということで、ご本人のブログ経由で知りました。キャストは関西圏でご活躍の名前がチラホラ見えますが、殆ど知らない人ばかり。

何が良かったって、全ての瞬間がしっくり来て、登場人物の全てに生きた人間を感じて同時に違う立場に置かれた人物に感情移入することが出来て、それはタミーノやパミーナやパパゲーノだけでなくザラストロやモノスタトスや夜の女王に対してもそうで、それどころか、それこそダーメの一人や僧侶の一人にまで生き生きとした個性を感じることが出来るという、その点です! 魔笛という物語が、かつてこれほどまでに、生き生きと目の前に迫って来たことがあったろうか。そうなると、この謎の多い―――と一般には言われているが、本当にそうなのだろうか?それは頭でっかちな見方では?―――オペラのどの瞬間も全く無理が無く、全てが必然なように流れて行くのです。これは、演出ブラボーでしたねえ。出演者もみな素晴らしかった。みな役者だし、一体感が素晴らしかった。

広島じゃあこんなに質の高いオペラをやってるのに話題になってるのを目にしないので、いっぱい話題にしたいと思います。というわけで個別論は明日以降に。

ひろしまオペラルネッサンス公演『 魔笛
日時 平成24年(2012年) 12月1日(土)18時開演
会場 アステールプラザ大ホール
主催 ひろしまオペラ・音楽推進委員会、広島市、(財)広島市未来都市創造財団、アステールプラザ中国新聞
共催 (公社)広島交響楽協会

指 揮 松下京介
演 出 岩田達宗
管弦楽 広島交響楽団

ザラストロ 安東 省二
夜の女王 原田 幸子
タミーノ 藤田 卓也
パミーナ 柳 清美
パパゲーノ 奥村 泰憲
パパゲーナ 端山 梨奈
モノスタトス 飯島聡志
ダーメ? 平福 知夏
ダーメ? 大野内 愛
ダーメ? 井上 美和
僧侶〔弁者〕・鎧をつけた者? 小島 克正
僧侶?:鎧をつけた者? 下岡 輝永
クナーベ? 大城 薫
クナーベ? 久保 幸代
クナーベ? 梅澤 市樹
合 唱 ひろしまオペラルネッサンス合唱団