感覚の話

魔王の謎を追え!

いつもお邪魔してるMadokakipさんのところのコメント欄をきっかけに、判明したこと考えたことについて書きます。 元ネタはこの日のエントリですね。http://d.hatena.ne.jp/starboard/20090826 Podcast経由で聴いた曲に衝撃を受ける。 YouTubeで同じ人の同じ…

ワルキューレ一幕聴き比べ(3)/それで、没入度って何なのよ?

(1) (2)に続きます。まずこの没入度ってのは、聴き手としてはかなり偏った感覚の持ち主である私が入れるか否かでありまして、それぞれのディスクの音楽的な価値とは無関係であることは、言うまでもないと思いますが、最初に確認しておきたいと思います。途中…

最近の悩み

悩みというよりは惑いでしょうか。悩める子羊の暴言を聞いてください。いつまでリングブームやってんだよって感じですが、コペハンリングをたっぷり堪能した後、これだけで記憶をフィックスしてしまっては偏り過ぎだろうから、記憶が新しいうちに違うパター…

初リングを通して聴いて/コペンハーゲン・リング音楽編(3)

音楽編の最後に、初リングを通して聴いて思ったことをつらつらと。なんでこれが音楽編なのーって感じだけど、私にとっては、これこそが音楽編なんですよ。ジークムントとジークフリートって似たようなもんだと勝手に思い込んでいたんだけど、全然キャラ違っ…

・・・とはどんなものかしら/コペンハーゲン・リング音楽編(2)

なんでコペハンリングにそこまで入れ込んだかというと、やっぱアナセンの存在が大きいと思います。私にとっては。一般的にどうかは知らないけど。彼の声も、この期間に聴き込んじゃって、最初はそれほどでもなかったのに、今はすごく反応するようになっちゃ…

自分で自分が分からない/コペンハーゲン・リング音楽編(1)

はああーーー(←何かを反芻中)。この1ヶ月は、外から見たら何もないんですけど、自分の感覚の中では本当にいろんなことがありました。主にコペハンリング絡みで。こんないい思いさせてもらっていいのかしらん。もうね、目の前にホルテンとかシュンヴァント…

何故オペラを観るのか、あるいはstarboardが超粘着気質であることに関する短い考察

私は、何故オペラを観るのか。ついでに、何故一枚聴いて、なかなか次の作品に手を出す気にならないのか。さっきまで漠然と考えてました。どうもこの2つは結びついてる気がしたんですよ。で、今のところの直感なんですけど、どうも、自分の中の創造性とやら…

本当の魔笛3大不満

昨日のはネタっぽく書き過ぎました。本当の魔笛3大不満はこちらです。 タミーノがあの結末に相応しい主人公だと思えない。台本の問題。 パミーナの嘆きのシーンが生理的に受け入れ難い。ここは台本も音楽も受け入れ難い。 (世に出回ってる解説等で)善玉と…

自分の中の優先順位

最近の来日公演の話題がきっかけで改めて自覚したんですが、私の中のオペラ公演に関する優先順位って、こうなってるらしいです。 パーペ(この人は別格)>オケと音響>>(超えられない壁)>>>>>その他歌手、演出 でもレポ書くと、大抵「その他歌手、…

天地創造/ショルティ+シカゴ響

久々に新しいCDを卸して聴いてみました。というわけで今日の一枚。 Haydn: Die Schoepfung (The Creation)オーケストラ: Chicago Symphony Orchestra指揮: Georg Solti, Margaret Hillis作曲: Franz Joseph HaydnCD (1995/2/14)レーベル: Deccaソリスト: Rut…

こめかみから30センチ/「またやっちまった!」の謎が解けたの巻

「またやっちまった!」とは、録音に慣れ過ぎて、実演に接したときに「なにか足りない」と感じてしまう現象のことです。「はああ〜〜?実演より録音がいい〜?耳が腐ってるんじゃないの?」と言われてしまいそうですが、あるんですよ、これ。ちなみに、この…

フィリップ・ジャルスキー&ラルペッジャータ@大阪

galahadさんのレポを読んで、この部分にズキューン!と来たので、当日券で行ってきちゃいました。 http://galahad.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-bea9.html コルネットとの演奏の時に、完全にブレンドされていて個別の楽器の音が聴こえなくなるんです…

音の成分に注目するようになった話

つい最近倍音という概念を知りまして、というのを昨日書いたんですけど、それ以来聴いてる音の成分を意識するようになりました。で、いろいろ調べていくうちに、こういったことを知る前にどう感じていたかということを記録に残しておきたくなりました。 これ…

マッチョな人、1人コーラス

カラヤンのヴェルレク(1967)を聴き直して改めて思ったのですが、ギャウロフの声、すごいですねえ。歌唱としてももちろんすごいんだろうと思うんですが、なんだか声自体がすごすぎて、唖然として、歌としての側面が置いてきぼりになってしまいます。なんとい…

スカラ座ドン・カルロ テレビ放送 聴き直し編

昨日に引き続き、ドン・カルロ@スカラ座のテレビ放送分を音だけ切り出して、ちゃんとした再生環境で聴いてみましたよ。今回は、同好の士のご好意でNHK以外の放送音源を入手したのでデジタルコピーで聴くことが出来ました。やっぱり音質がいいといいですなー…

ワグナーを聴いた後はワグナーについて考えてしまう。

METのパルジファル、この間は2幕までしか聴けなかったので、今日は通して聴きました。この演奏はとっても気に入りました。ところで表題です。他の作曲家についてはそんなことないのに、ワグナーを聴いた後はワグナーについて考えてしまうのです。なんででし…

室内楽のコンサートに行ってきた

こういうものに行って来ました。 2009年10月10日(土)14時〜 メンデルスゾーン室内楽の魅力(メンデルスゾーン生誕200年記念) 京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ チェロ・ソナタ第2番 ニ長調 作品58 弦楽四重奏第2番 イ短調 作品13 ピアノ三…

音楽を聴きながら別の音楽を思い出せない

バスティアンとバスティエンヌを聴きながら、これフィガロの出だしに似てるなあと思って思い出そうとしたんですが、どうしても思い出せないんですよ。それが不思議で。だって、とある文章を読みながら別の文章を思い出して比べるとか普通にするし、絵だって…

私の耳を上書きしないで・アゲイン

私の耳を上書きしないで・その1は、こちらです。今回のスカラ座来日公演の遠征で考えたことを書き出してみました。 今回も実演聴いた後は、音楽の記憶を上書き更新したくなくて、少しでも印象を長く残しておきたくて、音楽断ちしてました。実演聴いた後の移…

私は、ビジュアル優先らしいです。

galahadさんに言われたときは違うって思ったんだけどー。どうも私はリソースの配分がビジュアル優先らしいです。画がついてると神経がかなりそっちにとられてしまうし、音だけで聴いてるのと全然違うし。つーか音聴けてません。全然神経がそっちに回ってませ…

魔王がぼくの心臓を掴んで引き出そうとしているよ

勉強の意味も込めて*1、最近愛聴してるPodcastを紹介します。 Handelmania Podcast http://handelmania.libsyn.com/このPodcastを購読するきっかけになったバス特集がこちらです。パーペも登場してます。 Sat, 22 April 2006 "Not -to-neglect the bassos!" …

地声でも肺が無かった

例の肺の無い兄ちゃん*1のパフォーマンス映像をmedici.tvで見ました。相変わらず肺が感じられませんこの人は。しかも1時間以上に渡って!本当に中に人間入ってますか!24時間戦えマスか! http://www.medici.tv/#/performance/568/ 1h18minくらいからはじま…

予習に何を使いますか?

私は予習にあまりにもドンピシャの素材を使うと、当日耳が録音と比較しちゃうんで、そしてミキサーのみなさんが大抵いい仕事し過ぎてて危険なので、あえて違うものを聞くことを心がけてます。と書くと経験豊富な人みたいでなんか違うな。心がけることにしま…

降参です!

なおさーん! 例の教祖様、ボディブローの様に効いてきたよー。あの丸い顔が頭から離れないし、耳は2幕のトリオのところをぐるぐるしてるし、なんか胃の上のあたりが痛苦しいんですけど。どうしたらいい?しかし顔はパッツンパッツンだし、全くそんな要素と…

苦手じゃない高い声

今日は、昨日のヴィデオの製作者の別作品が無いかしらんと思って、EMI Classicsのチャンネルを漁ってました。いくつかそれらしい作品は見つけたものの、あのヴェルレクほど気に入るものは発見出来ず。というわけなんですが、意外な副産物がありました。えー…

ああワグナー、ワグナー、ワーグナー、どうしてあなたはワグナーなの?

・・・・じゃなかった。どうしてあなたはオペラ作家なの?でした。こんなん書くと後で恥ずかしいんだろうなーと半ば予感しつつ、当初からずっと思っていることがあって、その印象が段々薄れてきてしまったので、今のうちに書き残しておきたいので、赤っ恥覚…

私はやっぱり1階の音は好きじゃないらしい

この週末は、ジャズのビッグバンドのアマチュアの演奏を聴く機会があって、小規模の会場で数バンドが1時間くらいずつ交代しながら演奏していくというものなんですが、会場が結構面白い構造になってて、出入り自由で演奏中でも割と動ける雰囲気だったので、場…

耳が変化する話

この日の続き的な話題です。レポでは、なんだか音楽に関しては辛い話ばっかり書いちゃいましたが、実演見に行って不満だったかっていうと、全くノーなんです。すごい高揚感があったし幸せだったし。ただ、こういう形でしか表現出来ないんですよ*1。なにより…

ドレスデンのボリスレポ(偏った音楽編)

まだ書くのかー本当に10本書く気やろーのボリスレポシリーズです。音楽については、帰ってすぐ書いたように、もう大分記憶が薄まってしまったのですが、ものすごく偏っていることを承知で、いまも印象に残っていることを挙げておこうと思います。まだ私には…

第9ですよ!第9!

やっぱりこのタイミングで書いとくべきでしょう。かなり前の、ハマり出してすぐの頃の話です。 このサンプル聞いたときには、まさに度肝を抜かれました。 ガバと跳ね起きて、amozon直行しました。心臓わし掴みにされるとは、まさにこのことでした。というわ…